(防災・減災ニュース)高齢者との事故を防ぐために
交通事故死者数では、歩行中に亡くなったかたが最も多く、なかでも65歳以上の高齢者の占める割合が高くなっています。また、高齢者の事故の多くは「道路横断中」の事故の割合が多いといわれています。
なぜ高齢者には道路横断中の事故が多いでしょうか?
その理由を考えるには一般的な高齢者の傾向について理解しておく必要があると考えます。
・ 一般的に高齢になると運動機能が低下し、ゆっくりした歩行になることで横断に要する時間が長くかかることになります。さらに筋力の低下で前かがみ姿勢になると、視野が狭くなり、視線も足元に向きがちになって周囲の危険を発見しにくくなります。
・ 視力も低下するため、動く物や遠くの物が捉えにくくなったり、明るさの変化に慣れるのに時間が掛かるようになるため、車両の発見が遅れたり、接近してくる車両の速さや距離がつかみにくくなったりします。
・ 認知機能の低下は、同時に多方向へ注意を向けながら、新しい情報を処理、判断していくことが苦手になる傾向があります。例えば、横断をはじめると注意は足元に向けられ、途中での安全確認がおろそかになり、横断の後半では車両の接近に気付きにくくなります。
(上記は、いずれも個人差があります)
〈高齢者との事故を防ぐために〉
運動能力や認知能力には個人差が大きくでます。運転中に高齢者など個々の能力を把握することは困難ですので、想定される最悪の状況に対処できる運転をする必要があります。
高齢者は車両に気付かず、急に横断をはじめたり、横断中に立ち止まったり、引き返したり、運転者が予測しない、思いもよらない行動をとることがあります。また、危険を感じても急いだり、走ったりしての回避ができないこともあります。
したがって、突発的な状況に対応できる速度と距離を保持し、歩行者優先で運転するのが安全運転の要です。
また、早め点灯で高齢者に車両の接近を気付きやすくしたり、夜間はハイビームにより横断する高齢者を早く発見したりすることも安全確保に重要です。
=======
当情報は、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、配信当時のものであり、法改正などにより情報が古くなったりすることがございます。必ずしもその内容の正確性および完全性を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。